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【育児ハック】5歳息子の性別違和、ありのままを投稿した母 SNSに綴った自戒と願い「周りの目を気にしていたのはわたしだった」

2024-02-02 eltha

「2023年は男の子の服を買うのをやめました」。今年1月、女性は5歳になる息子の“個性”と自身に訪れた変化をInstagramに綴った。投稿はわずか1ヵ月で300万再生を超えた。LGBTQへの理解が社会全体で深まりつつある今、少しずつ当事者の声も聞こえるようになってきたが、“個性”を持つ子の保護者が抱える想いへの理解や支援は未だ十分とは言えない。それを裏付けるように、女性の投稿には今も、子どもの“個性”に向き合う保護者から様々な声が届く。
▼動画は記事の最後をチェック!

ピンクのニットを着て、泣きそうな顔で「こういうの着たかったの!」と言った息子

「周りの目を1番気にしていたのはわたしでした。いじめや陰口がやっぱり心配で。でも違う。それは結局みとくんの1番好きなものを否定することになる。そう思って深く考えず気に入ったものを買っていたら、息子の最高の笑顔がそこにありました。みとくんの大事なものはわたしも守っていかないといけない。みとくんの笑顔がそう気づかせてくれました」

 ピンクのニットとお団子ヘアでおしゃれを楽しむ5歳息子動画に、女性はそうメッセージを記した。息子みとちゃんは可愛いものが大好きだ。4歳になる少し前に、それまで丸刈りだった髪を「切りたくない」と言った。クローゼットの中がピンクに染まる今、とびっきりの笑顔で日々を過ごしている。
おしゃれを楽しむみとちゃん(写真提供@marukome.mama)

おしゃれを楽しむみとちゃん(写真提供@marukome.mama)

おしゃれを楽しむみとちゃん(写真提供@marukome.mama)

おしゃれを楽しむみとちゃん(写真提供@marukome.mama)

――みとちゃんの“個性”について、投稿の経緯をお聞かせいただけますか。

「保育園で個性を少しずつ出し始めた時、『どうしてピンクなの?』『それは女の子のだよ?』『みとくんは男の子でしょ?おかしいよ』などと言われたようで、突然男の子らしい色や服を選び出した時期があったんです。その時に本当のみとちゃんの気持ちを改めて確認したところ、『女の子になりたい』『ピンクや可愛いものが好き』『でもおかしいことなんでしょ?』と言っていて、小さな心でとても大きな壁にぶつかって悩んでしまっていることに気がつきました」

――未就学の幼児が自分の“好き”は「おかしいこと」だと…

「『男の子がかわいいもの好きでもおかしくない』ということを伝えたくて、インスタグラムで活躍されている世界中のジェンダーレスの方やさまざまなハンデを抱えていらっしゃる方のリールや投稿を一緒に見て、個性について話をしました」

――みとちゃんの反応は。

「同じような人がたくさんいるんだと知ってすっかり自信を取り戻し、キラキラした顔をして、翌日からまたかわいい服装で堂々と登園していきました」

――それらの出来事が男児服の購入をやめることにつながり、今回の“個性”についての動画投稿になったんですね。

「“好きなもの”について話しをした後は『自分も動画載せたい』『かわいいお洋服見てもらいたい』と言うようになって。わたし自身も“息子と同じような個性で悩む子どもたちの自信につながるかもしれない”と思い、投稿を決めました。動画に私の思いを書いたのは、我が子の変化に戸惑う親御さんの目にも留まればいいな、と思ったからです」

――ピンクのニットやワンピースを購入するようになって、みとちゃんは。

「泣きそうなくらい嬉しそうな顔で『こういうのを着たかったの!』と言っていました」

理解しているつもりだったLGBTQ「いざ我が子にその可能性があると…」

――みとちゃんに与えられた性別と異なる“個性”が見えたのは何歳頃からでしょうか。

「2歳頃から、おもちゃは車や恐竜よりもウサギやクマのぬいぐるみを好むようになり、お洋服も花柄などのかわいいものを選んだり、保育園でも男の子と駆け回るよりは女の子とお人形遊びする事が多く、おとなしい子なんだなぁと微笑ましく思っていたのですが、お洋服屋さんで『これにする』とフリフリワンピースを持ってきた時に“もしかしたら…”と性別違和の可能性があるのではと思い始めました」

――性別違和の可能性をどのように受け止められましたか。

「ジェンダーレスやセクシャルマイノリティは理解しているつもりでしたが、いざ我が子にその可能性があるとなると、まだまだ理解が得られていないという不安や、恋愛や結婚などを想像した時に“この子が傷つくのがすごく怖い”という気持ちが先に来ました。ただ、もしそうだと確信した時には『何をしてあげられるか』を精一杯考えようとも思いました」
――今回の投稿は閲覧数以上に視聴者からのコメントの多さも印象的でした。

「本当に多くの声をいただき、同じような個性をもつお子さんがたくさんいること、そして同じように戸惑い、模索しながらも受け入れて全力でサポートしている親御さんや、認めてあげることがどうしてもできず葛藤している親御さんもたくさんいることを、わたし自身今回のリールを通して知ることができ、1人じゃないんだと思えました。そして、それぞれ様々な意見や思いがあること、ほとんどの方が愛する我が子を否定することなく、前向きに子育てされていることも知りました」

――印象に残っているメッセージは…

「同じような個性を持つ親御さんからのコメントで、『自分の子どもを受け入れられるか不安だったけれど、このリールを見て決心できました』と。子どもの選ぶものを買ってあげようと決断されるきっかけになれたようで、大変嬉しく思いました。あと『自分の親は認めてくれなかったからつらかった』といったような方もたくさんいらっしゃって、幼い頃のその方の気持ちを思うと胸が締め付けられる思いでした」

性別違和、それは「子どもにとってはまだ薄暗く、先の見えない暗い道を歩いているようなもの」

――今後、みとちゃんの“個性”をどのように見守っていきますか。

「今回、多くのコメントをいただいたことで、モヤっとしていた今後の課題みたいなものが少しずつ明確になってきました。これから学生生活が始まると、集団生活の中でたくさんの問題が出てくると思いますが、教育現場でも多様性に関して様々な対応がなされているとういうこともわかりました。ただ、コメントいただいた中に『ジェンダーは揺れ動くもの』というお話しもありました。決して『こうだろう』と決めつけず、常にみとちゃんの声に耳を傾けて、これからも個性を大切にしつつ、できることはひとつずつクリアしていきたいと思っています」

――300万再生の大反響を集めた投稿。最後に改めて、今の心境をお聞かせください。

「ジェンダーや性別違和も含めて、子どもの個性はひとりひとり違います。成長過程で変化もしていきます。子ども自身もよくわからず、戸惑っていることもあると思います。大人でも難しく、時にはつらいジェンダーの世界。子どもにとってはまだ薄暗く、先の見えない暗い道を歩いているようなものだと思います。その子の好きなもの、好きな人、その子だけの個性を認めてあげることが、その道にひとつずつ灯りを灯していくことになると思います。

たくさんの励ましの声をいただき、これからはもっともっと社会においても理解が深まり、生きやすい世の中になっていくんだろうと感じました。大人になるにつれて、心のケアなども必要になってくるかと思いますが、その時に親の理解を得られているかどうかはかなり重要だと思います。個性を尊重し、子どもの笑顔を大切にしているパパママを心から尊敬します」

【動画】5歳児みとちゃんの成長と母の変化

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