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【医師に聞く】忘年会はお酒の飲み方に注意、「とりあえず生!」実は理にかなってる?「シメのラーメン」の影響も解説

2023-12-24 eltha

 今年、久々に忘年会に参加したり、年末年始に集まる人も多いでしょう。仲間や親戚と楽しく盛り上がる機会ですが、飲みすぎてしまうと体に悪影響を及ぼすこともあります。飲みすぎは胃や肝臓に負担がかかるほか、高血圧や糖尿病の悪化につながることも。体調を悪化させないための飲み方、食べ方とは? そして、「とりあえず生!(ビール)」「シメのラーメン」など、飲み会の慣例の影響は? ふれあいの丘内科内視鏡健診クリニック(横浜市都筑区)院長で、認定内科医・消化器病専門医・消化器内視鏡専門医の粟田裕治先生に聞きました。

飲む前にお腹に入れておくと良いものは? アルコール摂取前に飲む薬剤の多用はやめよう

Q.忘年会では、いつもより多くアルコールを摂取することもあります。その後体調が悪化しないように、飲む前にやっておくとよいことはありますか?

粟田先生 体調を整えておくということが第一ですね。アルコールを代謝する肝臓の機能は、寝不足や激しい運動によって低下してしまいます。しっかり睡眠をとって身体を休めてから、忘年会に臨みましょう。また、飲む前に胃の中に食べ物や飲み物を入れておくといいでしょう。

 胃の中が空っぽの状態でお酒を飲むと、アルコールが胃腸で急速に吸収されて、血液中のアルコール濃度が急に上昇してしまいます。事前に胃の中に食べ物や飲み物を入れておくと、胃の中でアルコール濃度が薄まって、吸収も穏やかになり、悪酔いや二日酔いを予防することができます。

Q.アルコール摂取前に食べておく、飲んでおくとよいものは?

粟田先生 お酒を飲む前にタンパク質、食物繊維、脂質など、消化が遅く長く胃や腸にとどまる物を軽く食べたり飲んだりしておきましょう。特にタンパク質は肝臓の機能を活性化させる効果が期待できます。手軽にタンパク質をとれるヨーグルト飲料や牛乳、チーズなどがおすすめです。後述しますが、アルコール摂取前に飲む薬剤も飲酒量がいつもより多くなると予測される時には飲むと良いでしょう。

Q.アルコール摂取前に飲む薬剤などもありますが、こちらは効果がありそうでしょうか?

粟田先生 アルコール摂取前に飲む薬剤(栄養ドリンク)は、肝機能を高めることでアルコールの代謝を促進することができます。ウコンやシジミ成分など肝機能の改善効果が期待できる成分が含まれた医薬品・医薬部外品のドリンクを選びましょう。コンビニやスーパーなどで手軽に購入できるので、一度試してみることをおすすめします。ただし、肝臓を助けるためのウコンが肝臓にダメージを与える(薬剤性肝障害を起こす)こともありますので、多用はしない方が良いでしょう。

「とりあえず生!(ビール)」は実は理にかなった飲み方、一方エナドリやコーヒーには注意

エナジードリンクとコーヒーはお酒と一緒に摂取しないほうが良い

エナジードリンクとコーヒーはお酒と一緒に摂取しないほうが良い

Q.いざアルコールを飲む際、内臓に負担がかかりにくい、悪酔いしにくい飲み方、順番、またアルコールとともに摂取しないほうがよいものについて教えてください。

●水(チェイサー)も一緒に飲む
お酒を飲む時は水(チェイサー)も一緒に飲むようにしましょう。水を飲むことで胃や腸の中でのアルコール濃度が下がり、アルコールの吸収が緩やかになって、酔いが回りにくくなります。また、アルコールには利尿作用があり、知らない間に脱水状態になってしまうこともあります。この点でも小まめに水(チェイサー)を飲むことは重要と言えます。

●アルコール度数の低いものから飲み始める
アルコール度数の高いお酒を飲むと、当然吸収された後の血液中のアルコール濃度も高くなります。アルコール度数の低いものから飲み始めて、血液中のアルコール濃度も緩やかに上昇させた方が悪酔いは防げるでしょう。「とりあえず生!(ビール)」というのは、実は理にかなっていると言えます。

●おつまみでタンパク質やビタミンB群を摂る
タンパク質は、肝臓やアルコールの分解酵素の働きを助けます。おつまみには、タンパク質が多く低カロリーの枝豆や豆腐などを選ぶとよいでしょう。また、ビタミンB群もアルコールの代謝に大きく関わっており、飲酒をしていると必要量が増えてビタミンB群不足に陥りがちになります。豚肉や生ハム、ブリ、ウナギなどビタミンB群を多く含む食品も良いでしょう。

●飲酒時はエナジードリンクやコーヒーの摂取を控える
エナジードリンクやコーヒーとお酒を一緒に摂取すると、悪酔いや脱水症状に陥る危険性が考えられます。エナジードリンクやコーヒーなどにはカフェインが多く含まれています。カフェインの興奮作用によって、自分が酔った状態であることに気付きにくくなると同時に、お酒を過剰に飲みすぎてしまうことにも繋がったり、アルコールとカフェインの重複した利尿作用によって脱水症状を起こすリスクも上昇したりします。

Q.アルコールで気持ちが悪くなってしまった場合、緩和する方法はあるのでしょうか?

粟田先生 残念ながら、アルコールで気持ちが悪くなってしまった時にすぐに効く薬や即効性のある治し方はありません。とにかく水を飲んで症状が治まるのを待つしかありません。

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