幼い頃からの”爪の噛み癖”も「治すことができる」…爪を大切にする気持ちを育むジェルネイルの有用性

　深爪、丸い爪、小さな爪、男爪…人の見た目が異なるように、爪においても形や大きさは異なります。視界に入りやすいからこそ、深いコンプレックスとなりやすい爪の悩みは、どのように解決できるのか。ネイリストとして22年、第一線で活躍するmikiT（@nail_miki）さんは、爪の悩みにこそジェルネイルを活用してほしいと言います。

ーーmikiTさんのところに施術を受けに来る方の中には、どんな悩みの方がいらっしゃいますか？

「1番多いのは噛み癖ですね。小さい頃からの癖もあるし、お仕事のストレスとか精神的なもので噛んでしまう方もいます」

ーーそれを解決するためには、どのような提案をするのでしょうか？

「ジェルネイルをつけて“長さ出し”をして、先端を噛み切れないぐらい分厚くする。それから、かわいいデザインを施すことを提案しています。お気に入りのデザインを施すことで、外したくなくなりますから。『爪をもうちょっと成長させようかな』とか、『オイルを塗ろうかな』という気持ちが湧いてきて、爪を大切にしていただけるんです」

ーーそれは深爪や、ほかの悩みにも有効なのでしょうか？

「爪1枚だとちぎれてしまったり、割れてしまったり、欠けてしまったりすることがあると思うのですけど、ジェルをすることによって、補強になりますから有効的だと思います。深爪の方は、途中から割れてこないことがすごく重要ですからね」

ーー一方で、小さな爪の場合、自分が思う通りのデザインにならない方も多い気がしています。そういった方には、どのような提案をしていますか？

「よくあるのが、お客様が『これがいい』と言ったサンプルが、ちょっと大きいチップだった場合です。選んでいただいても、爪の大きさが違えば仕上がりの雰囲気は変わりますからね。そこは事前に絶対に伝えなければならないポイントです。小さい爪の場合は、模写的なデザインよりもニュアンス的なデザインの方がバランスが良いです。ロングの爪の方だとセクシーな印象を持たせられるパープルとか、ボルドーカラーが似合うということなどをご提案しています」

ーー昨今では、ジェルネイルが普及している一方、まだまだ偏見が多い印象です。

「そうですよね。『自爪の健康を考えると、休憩させる期間がないといけない』という意見をいまだに見かけます。そういう方には正しい説明をしたいなと感じています。実際、私、もう20年以上ジェルネイルをしているんですけど、爪を休憩させたことはないですし。適切な方法で施術し、ケアしていくことで、自爪はどんどん伸びてきていますからね。今は誰でも情報発信できる時代ですが、ネイリストさんからもしっかりとした知識を正しく発信していかないといけないと感じています」

ーー爪のトラブルが起きてしまう方は、どんな方が多いのでしょう？

「やはり正式な使い方をしていなかったり、ネイリストからの説明を守れていない方が多い印象です。例えば自分でジェルをむしってしまったり、1ヵ月ぐらいの持ちと言われたネイルをずっとしていてカビを生やしてしまったり。そういったトラブルが絶対についてくるので、きちんと説明は守ること。あとは、わからないことは自分で解決するのではなく、プロに任せてほしいなと思います」

ーーそれは、セルフネイル派の方にも言えそうですね。

「そうですね。一生保てるものではないので。パッケージに書いてあることはしっかりと守っていただきたいなと思います。実際、セルフで頑張っていたけど、すぐ取れちゃったとネイルサロンに出戻りされる方も多いんですよね」

ーージェルネイルをしている方、していない方を問わず、育爪に大切なことを教えてください。

「1番は保湿です。自分の好きな商品で良いので、1日に数回ネイルオイルをしっかり塗っていただくこと、乾燥させないことが大切です。それから、当たり前のことですが、たんぱく質をしっかり摂ることが大切かなと思います」

ーー普段から情報発信をされているmikiTさん。今後発信していきたいことを教えてください。

「もっともっとネイルをする人口が増えてほしいので、そのための情報発信をしていきたいと考えています。美容院に行っている方と比べたら、ネイルサロンに行っている方って極端に減りますからね。ネイルするとテンション上がって毎日が楽しくなるということをたくさん発信していきたいです」

ーーオンラインサロンではこれまで1500人のネイリストさんが生徒さんとして参加。どのような関係性ですか？

「お互い刺激をもらえる関係だと思っています。ネイリストとして「挑戦しないと飽きられる」ということが私のモットーにあって。だから、常にネイリストさんたちにアクションを取り続けるようにしています。実際、オンラインサロンを始めてから3年半、ずっと継続してくださっている方も多いんですね。それは、毎日コラムを読んでいただくなかで身近に思ってもらいたいなとか、すぐに相談できる存在でありたいなと思っているのを汲み取ってくださっているからなのかなとも思うのですが。これからも参加してくださっている人たちを巻き込んで、一緒にネイル業界を盛り上げていけたらなと思います」

取材・文／於ありさ　撮影／逢坂聡