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EXIT・りんたろー。容姿イジリや前コンビ解散を経て辿り着いた“居場所”「兼近くんとの出会い、この幸福な環境を絶対失いたくない」

2022-10-29 eltha

 今やすっかり美容芸人のポジションを確立したEXITりんたろー。。かつて"容姿イジリ"されてきた彼が、コロナ禍でのダイエット成功からどんどん垢抜けていく様子について、「美意識を駆り立てられる」「自分磨きハンパない」などお笑いとは別軸でも注目されている。そんなりんたろー。が現在の自分の居場所を見つけるまでには、紆余曲折があった。“じゃないほう芸人”に徹した前コンビ時代の葛藤や、EXITの相方・兼近大樹への思い、ブレイクとは裏腹に壊れかけていた心と体──。1人の芸人の再生ストーリーを聞いた。

“容姿イジリ”で笑いを取ることで直面した苦悩 それを一掃したオードリー・若林の一言

──自伝的エッセイ『自分を大切にする練習』(講談社)では、りんたろー。さんが美容を通して内面と外見のコンプレックスを克服していくさまが赤裸々に綴られていますが、ご自身の弱さも含めた芸人半生をここまで明かしたのは初めてなのではないでしょうか。

りんたろー。そうですね。雑誌『VOCE』さんで約2年、美容の連載をさせていただいてきましたが、美容を通して僕の何が変わったのかをわかってもらうには過去の話は避けては通れないことでした。外見も内面もコンプレックスだらけで、自分のことを後回しにしてるうちに自分がいなくなってしまっていた。そんな感覚に押し潰されそうになっている昔の僕のような方に「美容は心を鍛える最強のツールだ」ということをこの本でお伝えしたいです。

──Twitterのプロフィール欄も「チャラデカフェイス」から「美と笑いの伝道師。健やかに」に変えられました。もう自虐はネタにしない、という表明でしょうか。

りんたろー。自分のコンプレックスを笑いに変えられてハッピーだったのは嘘じゃないんです。だけど社会ではすでに「容姿をネタに笑いをとることは時代遅れ」という空気が醸成されつつあった。なのに、テレビで芸人がそれをやっていいのか? という葛藤もありました。一方で自分の心の声に耳を傾けたときに、それって本当にうれしいのか? 嫌だっていう気持ちを笑いで塞いでいないか? ということにも気づきました。でも芸人に限らず、空気を読んで自虐をすることで、知らず知らずのうちに心をすり減らしてしまっている方って多いと思うんですよ。

──特に芸人の世界では「容姿イジリ」が様式として定着していましたが、美容に取り組むことで上の世代の芸人さんからはどんな反応がありましたか?

りんたろー。「ブサイクが何やってんだ」的な反応がゼロだったわけじゃないです。ところがオードリーの若林さんが「お前、キレイになりすぎてねえか」の一言で、それをすべて笑いに変えてくれたんですよ。同じ容姿イジリなのに、言われたほうも少しも傷つかないどころかうれしくなるってすごくないですか。時代への嗅覚が鋭いというか、アンテナが高いというか、さすが若さまだと感動しましたね。

関係も笑いへの想いも破綻した前コンビ時代「だけど今の僕を形作る上では絶対に必要な時間だった」

──本書を読んでいて特にヒリヒリとするのが、EXITの前に組んでいたベイビーギャング時代のこと。現在のチャラ男芸からは想像もつかない脆く繊細なりんたろー。さんがそこにいました。

りんたろー。芸人としての自分を客観視したときに、当時の僕にはどこが面白いかプレゼンできるものがなかったんです。一方で元相方には見た目からして圧倒的な華があった。僕は売れない時期が長かっただけにこのチャンスを絶対に逃したくなくて、ネタを書く上でもバラエティでのポジションでも一歩引いたところで彼を輝かせることばかりに必死になっていました。

──結果、主従関係からなるバランスの悪いコンビに。さらにブレイク寸前で解散を余儀なくされます。

りんたろー。もちろん僕の芸人としての力不足もありました。今だったらもうちょっと違う関係が築けたのかなと、元相方には申し訳ない思いもあります。だけど今の僕を形作る上では絶対に必要な時間だった。彼にとってもあのコンビの経験が何かしらの成長の種になっていたらうれしいです。

──現在、EXITの相方である兼近大樹さんもいわゆるイケメンです。前コンビのように容姿格差はネタにするという発想はなかったのでしょうか?

りんたろー。兼近くんと初めてネタ合わせをしたときに、彼となら自分が理想としていた笑いができると直感したんです。兼近くんとネタができることがとにかく幸せで、彼の容姿の良さはむしろ後から付いてきたものでした。しかもありがたいことに世間から求められるようにもなった。この幸福な環境を絶対に失いたくない。その原因が自分であったらマジであり得ないと思ったのが、美容に本格的に取り組むギアにもなりました。

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