私って“母性”が弱い? 「ママならあって当たり前」に苦しむ若年子育て世代の本音
2022-08-16 eltha
20〜30代では半数超え 若い世代ほど「母性が弱い」と感じている
20〜30代の若い世代の傾向をみると、末子の年齢が「妊娠中〜未就学児」で7割。母性が弱いと感じた瞬間は、「自分の子どもにきつくあたってしまう」が最も多く60.5%、次いで「子どものことをするのが面倒だと感じる」が49.6%、さらに「子どもより自分のことを優先することがある」が42.0%と、いずれも高い割合を占めている。「時々子育てから逃げ出したくなる」という回答も39.5%に上り、まだ子どもを産んだばかり、子育ての経験が浅いことから、自分の母性の有無について不安を感じてしまうことが多いようだ。
一方、40〜60代は母性が弱いと感じた経験がないと答えた割合が高く、どちらの世代も半数以上が「ない」と回答。年代によって回答が分かれる対照的な結果となった。
言葉でコミュニケーションがとれないジレンマ…母性が弱いと感じた瞬間は「乳幼児期」
母性が弱いと思ったことがある人の中で、そう感じた時期について聞いてみると、「乳幼児期」が48.6%、「子どもと意思疎通ができるようになってから(ことばが出始めた時期〜小学校低学年ごろ)」が44.3%、「子どもの反抗期が始まってから(小学校〜思春期ごろ)」が39.4%という結果に(複数回答あり)。
「周りのママと比べて私って…」子育てが進むうちに根深い悩みに
コンプレックスに感じる理由を見てみると、「周りの母親と比べて、自分の母性が弱いと思うから」が圧倒的に多く55.7%。ママ友や、自分の母親と比べて、育児を完璧にできていなと思ったり、自分の至らなさを痛感して落ち込む声がSNS等でも散見される。
また、次いで多かったのが「世間一般的に、女性はみな母性が備わっていると思われているから」が33.5%。冒頭の国語辞典の言葉にあったように、「母性」という言葉の持つ力やイメージ、世間の目が気になり、自分とのギャップに悩むケースも多い。
例えば「たまには自分の時間が欲しい」「忙しくて子どものお弁当を作るのが面倒」といった、少しでも子育てにマイナスな発言をすると、「愛情不足」すなわち「母性が弱いから」と周囲から言われてしまう…なんてことも。ワーキングマザーは、いまだ他者から「保育園に預けるのはかわいそう、愛情が足りない」と言われ悩む人も少なくなく、身内にすら相談できない場合もある。世の母性へのイメージは、いまだに根強く残っている。
しかし、大切なのは、「母性があるかないか」ではなく、自分なりのやり方で育児に向き合っているかどうかではないだろうか。環境も、子どもの性格も、親子の関係も、家庭によってそれぞれ。人によってイメージや解釈も異なる「母性」という言葉に重圧を感じてしまい、自らを責めて自信をなくてしまうのはいかがなものか。母性の呪縛から解かれ、それぞれの正解を見つけることが重要なのだろう。
【調査概要】
調査時期:2022年6月28日(火)〜7月4日(月)
調査対象:「子どもがいる」と回答した871名(自社アンケートパネル【オリコン・モニターリサーチ】会員20代〜60代の女性)
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査
調査機関:オリコン・モニターリサーチ
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