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小林星蘭 「あの子、消えたね」に傷心 “子役の宿命”にもがきながら抱き始めた新たな夢

2022-04-28 eltha

 2009年、4歳でカルピスのCMでデビューし、2011年のドラマ『名前をなくした女神』(フジテレビ系)などの名演で“天才子役”の名を欲しいままにした小林星蘭。昨年出演した『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)のイメチェン企画が話題になったことをきっかけに現在は、SNSでの自撮り投稿が連日ニュースになるほど注目、現在は『メンタル強めの美女白川さん』(テレビ東京ほか)のナレーションなど、声の仕事でも活躍している。子役といえば、10代に入ると仕事が急減するというジンクスがあり、成長しても「劣化した」などの悪意にさらされることも。彼女は子役としてのこれらの宿命をどう乗り越えたのか。

活躍に比例して溢れる心ない声「なぜそんなに言われなければいけないんだ」

 小林星蘭が芸能界入りを目指したきっかけは『崖の上のポニョ』。テレビで歌っている大橋のぞみさんの姿を見て「私もああなりたい」と思ったことから始まった。「それから運良くとんとん拍子に話が進んでいき、多くの作品に関わらせて頂きました。ターニングポイントとなったのは『名前をなくした女神』とドラマ『一休さん』(フジテレビ系)。監督から厳しく演技指導を受け、演技の基盤になる部分を作ってもらえました。その後、小学校高学年に入り、『あいつ今なにしてる?』(テレビ朝日系)のナレーション、またアニメ『若おかみは小学生!』で主演を演じさせて頂き、声のお仕事を始めたという意味で私の人生の重要なポイントになりました」(小林星蘭/以下同)

 声の仕事をやってみたいと思ったのはアニメ作品も好きだったから。『ラブライブ!』シリーズをはじめ、幼少期から『アイカツ』や『プリキュア』シリーズを楽しんできた。アメリカで劇場版がヒットした『僕のヒーローアカデミア』でも、ヴィランであるオーバーホールによる特性銃弾を使ったヒーローの能力を消失させる計画の中心で、エピソードの鍵を担う少女・壊理(えり)を好演。SNSでも「え、あれ星蘭ちゃんだったの」と驚きの声が多く見られるほか、劇場版『若おかみ〜』の監督・高坂希太郎からも声優として絶賛もされた。

 「小学校高学年になってからは声の仕事が大部分になったのですが、実写での露出が減ったこともあり、『あの子、消えたね』といった声に傷ついたりもしました。ファンで頂いていないかぎり、プロフィール検索でもしないと、今の私が何をやっているか分かりませんからね…。同時に、『可愛くなったね』と言ってくださる方もいれば、『可愛くなくなった』『昔の方が良かった』といった声もあり、自分で『なぜそこまでいろいろ言われなければいけないんだ』と悩んだことも…。ですが、考え方は人それぞれ。この人はこう思う、あの人はこう思うものだ、と多様性を認めたことで心は楽になっていきました」

“しっかり者”が“生意気”と捉えられた思春期 外見にもコンプレックスを持ち始め…

 彼女がそうやって自分や人を客観的に見られるようになったのは小学校高学年ぐらいから。バラエティなどに出演している自分を見て「あ、喋りすぎてるな」「ちょっとでしゃばりすぎたかな」といった自身の反省点を冷静に見られるようになったからだと言う。
 「小学校低学年、中学年の頃、私はバラエティ番組などでも、共演した子役の方が台本を忘れてしまった状況の際、“じゃ私が喋ってつながなきゃ”など、自分としては“しっかりしよう”という意識で色々とフォローしようとしていました。ですが、その“しっかり”が周囲からは『生意気だ』と思われることも多々あったようで…。高学年に入ってそれを知り、ショックを受けました」

 楽観的だった小林がネガティブな思考を持ち始めたのもその頃。外見にもコンプレックスを持つようになっていった。丸顔なこと、歯並びなど。実は不器用なタイプであまり自分から人に話しかけることができず、友達も少なかった。また、あまりに仲が良い人が多いと「自分のキャパをオーバーしちゃうという怖さもあって」と積極的に多くの人と触れ合えなかった。自身を冷静に見ようとするあまり、頭の中で言葉を選びすぎてしまい、喋り方がつっかえつっかえになるようになってしまうことも。現在彼女は、それらを改善しようと奮闘中だ。

 「歯並びについては矯正。丸顔については、実は私は面長であり、そこに肉がついてしまったことで、顔が長く丸く見えることに気づいてからは顔の体操をしています。あとは歌うことが好きなので、自宅で歌ったり、一人カラオケで歌い続けたり。一人カラオケは意外と小顔効果があり、3時間も歌うとマスクが少しぶかぶかになったような感覚を覚えるほどです(笑)」

 また、好きな話題になるとお喋りが止まらないタイプでもある。「相手が聞き取れないほど早口で話したりし始めるので(笑)、高校に入ってからは同級生から『星蘭ちゃんってこんなに大きな声でよく喋る子なんだ』『イメージと現実は違うね』と言ってもらったりしました」

 そして昨年、『今夜くらべてみました』に出演。ネガティブさやコンプレックスをさらけ出し、自分が好きな韓国風の髪型、メイクで見事イメチェンを果たしたことが話題となった。出演者の指原莉乃から自撮りの仕方も学び、SNSで数多くの自撮りを披露。ユーザーから「脚長い!」「可愛い!」といった声が寄せられるようになり、それがニュースになり始めた。

芦田愛菜、鈴木福ら同世代の活躍「羨ましい」 “負のジンクス”を乗り越えた先に見えた未来

 周囲からの声が気になるため、やはり、SNSのユーザーコメントや、ネットニュースなどの自身への意見も気になるタイプ。「あまり見すぎると陰うつな気持ちになるのでそこまで見ないようにしているんですけどね…。自分でSNS投稿するときは、自分が思ったことをちゃんと書くようにしています。フォロワーさんも“仲の良い人たち”と捉え、自撮りの仕方や肌荒れの悩みについて相談したり。感じたこと、聞きたいことは隠さず綴っています」

 谷花音、芦田愛菜、本田望結、鈴木福ら同世代の子役たちの活躍については「自分でも不思議なくらい嫉妬はない」という。「皆さん、私ができない分野で私とは違う才能で活躍されています。純粋に羨ましく思います。私も私が出来ることをやっていきたい。頂けるお仕事は私もしっかりやっていきたい」

 本来、負けず嫌いな性格であり、それ故、自身にも厳しい小林星蘭。現在は英語のほか、韓国語も学び、日本だけに限らない活動を目指している。自身の小学生時代のイメージに悩まされることもある。自分が未熟で「子役」「元子役」と言われても仕方がないと思っていたが、そんな過去をひきずることなく、今は「一人の“俳優”小林星蘭として見てもらいたい」と目を輝かせる。

 「『プリキュア』に出演できたように、自分が好きなアニメシリーズなどにもどんどん出演したい。またアニメにはキャラソングがあります。歌うことが好きなこともあり、キャラソングも出せるように歌を練習したいです!」と未来を思い描く小林。今年9月の誕生日を迎えると18歳、成人になる。生意気との誤解、過去との比較、10代からの露出の低減、子役の宿命とも言えるこれら“負のジンクス”を背負い、そこから解放されようとする明るく、客観的で、自分に正直な、一人の“大人”の姿がこの取材から感じられた。

(文/衣輪晋一)

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