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格闘家・杉山しずか、産後2ヵ月で練習復帰した過去「現役の時間は限られる。一戦一戦を大切に」

2018-12-14 eltha

格闘家・杉山しずか、産後2ヵ月で練習復帰した過去「現役の時間は限られる。一戦一戦を大切に」
 18歳で始めた空手ですぐに頭角を現し、女子格闘技の団体「DEEP JEWELS(ディープジュエルズ)」の旗揚げ大会で格闘家デビューを果たした杉山しずか。デビューから5連勝したほか、その美貌もあいまって一躍、人気者となった。一見、キャリアは順風満帆に見えるが、結婚・出産を経て“ママさんファイター”として返り咲くまでには、数々の悩みや葛藤があった。そんな彼女が歩んできた日々と、見据える未来とは?

格闘技と出合って、自分が輝ける場所が見つかった気がした

――格闘技との出合いはいつですか?

【杉山しずか】 小中高とバレーボールをしていましたが、東海大学への入学を機に、自宅の近くにあった空手道禅道会(ぜんどうかい)に入りました。将来、体育の教員になろうと思っていたので、武道に触れておけば有利かもという軽い気持ちだったんです。でも、すぐに禅道会の空手に夢中になりました。禅道会は格闘技色が強く、体力と“勝ちたい”という気持ちがあれば強くなっていけた。東海大学にはオリンピックに出場するなど活躍しているアスリートも多く、彼らのように打ちこめる“何か”を探していた私にはぴったりの競技だったんです。
――大学在学中、「DEEP JEWELS」の旗揚げ大会で格闘家デビューされました。出場することになったきっかけは?

【杉山しずか】 禅道会の大会などで戦っている姿を見た大会関係者の方が声をかけてくださったんです。禅道会では総合格闘技も少し練習していましたが、実践経験はほぼゼロ。そんな中で試合に出たのに勝つことができました。ひたすら楽しかった。自分が輝ける場所が見つかった、とすごく嬉しかったです。

――そこからは、水を得た魚のように格闘家への道を一直線?

【杉山しずか】 それが違うんです。今だったら格闘家だけで生きていける人もいるけれど、当時はダブルワーク的にやっている人が圧倒的で。私も最初からそういう感覚だったので、日中は体育の非常勤講師として働き、夕方からトレーニング、週末には試合に出場するといった日々でした。格闘技をやっていることは子どもたちに内緒にしていたから、試合前に減量していると、「先生、痩せた?」と聞かれることも(笑)。トータルで5年間くらい働きましたが、楽しい思い出がたくさんできました。

出産後、2ヵ月で練習再開。「いつでも戦える体にしておきたい」

――2011年4月には、武者修行のためにオーストラリアへ。きっかけは?

【杉山しずか】 空手道場での練習の幅に限界を感じたこともあり、集中して格闘技に取り組める場所で武者修行したいと思ったんです。英語圏でひとり暮らしをしてみたいという夢もあり、ワーキングホリデービザが使えるオーストラリアを選びました。現地では英語の語学学校に通いつつ、放課後は柔術やキックのジムへ。見るものすべてが新鮮で楽しかったですね。格闘技に言葉は必要ない。アスリート同士、同じ技を共有できることに喜びを感じていました。

――帰国後の2013年には、格闘家の中村K太郎選手とご結婚。2015年には第一子の長男を出産されました。

【杉山しずか】 妊娠がわかったときは、とても複雑な心境でした。大切な命を授かったことはすごく幸せ。でも、格闘家としてのキャリアがストップしてしまうことが辛くて…。周囲からも「両立は簡単じゃない」「引退するんでしょう?」などと言われ、悲しかった。自分ではどうにもできないもどかしさで、「諦めてしまおうか」と思ったことも何度かありました。でもいろいろ言われたことが「絶対に続けてやる!」という活力になったし、悔しさがバネにもなった。だから今では感謝しているくらいです。
――出産後、2ヵ月で練習を再開されたとか。

【杉山しずか】 出産した2015年末、ちょうどRIZIN(ライジン)が始まったんです。それが早く復帰したいというモチベーションになりましたね。海外では出産後、半年で試合をした選手がいると聞き、私も「いつでも戦える体づくりをしておこう」と、2ヵ月で練習を再開したんです。預かってくれる人が見つからないときは、息子を連れてジムに行き、マットの上に寝かせて練習することも(笑)。いまではいい託児所が見つかって練習に打ち込めるようになりました。

 息子は小さいころから練習を見ていたこともあり、私の職業について理解してくれているみたい。「ママ、今日もパンチパンチしてくるの?」と言ってくれます。周囲の方に「練習辛くない?」と聞かれることもあるけれど、格闘技ができなかったころの悔しさを思えば、毎日幸せです。試合中も、以前は自分のことしか考えられなかったけれど、「かわいい息子に寂しい思いをさせてまで練習を頑張ってきたんだから、しっかりやらなきゃ」と気を引き締めることもよくあります。

一戦一戦を大切に戦って、“杉山しずか”の名を広めたい

――ママさんファイターの先輩には、山本美憂さんもいらっしゃいますね。

【杉山しずか】 まだお会いしたことはないのですが、離れた場所から見ていても頑張ってらっしゃることがわかる。3人を育てながら長年格闘家を続けてこられたのは、ただただ尊敬の思いです。彼女の戦う姿を見ていると、私も勇気をもらえますね。ただし自分に関していえば、働くママさんにそれぞれの仕事があるように、私は仕事として総合格闘技を選んだだけだと思っています。何も大変じゃないし、特別じゃない。だって皆さんだっていろいろ大変ですよね? 

夫も同じ格闘家なので、仕事に対する偏見がないのは助かっています。「やりたいことをご自由に」というスタンスでいてくれるので恵まれていると思いますね。

――ご夫婦ともに格闘家ですから、普段の食事にも気を使ってらっしゃるのでしょうね。

【杉山しずか】 減量中は別ですが、割と好きなものを自由に食べていますよ。大好物はチョップドサラダです。たっぷりの野菜にチキンなどたんぱく質を入れてもりもり食べます。趣味をかねてサラダ屋さんにひとりで行くことがあるんですが、あれこれ入れてもらっているうちに2000円くらいになっていることも(笑)。
――そのしなやかな筋肉は、サラダで作られているんですね?

【杉山しずか】 そうかもしれません(笑)。それから有酸素運動です。以前はもう少し太っていたんですが、テレビ番組で共演したトレーナーさんから「大きな筋肉だね。もう少し痩せたら、カットがキレイに出るはず」と言われたことで意識が高まったんです。しっかりとした有酸素運動を心がけて、皮下脂肪を減らしていったら、筋肉を褒めていただく機会が増えました。試合に勝てる強い体づくり一番大切ですが、やはり女性ですから「キレイ」と褒めてもらえると嬉しいですね。

――それでは最後に、今後の夢を教えてください。

【杉山しずか】 私の場合、「世界で活躍したい」とか大きなものではなく、RIZINをはじめ、さまざまな試合の一戦一戦を大切に戦っていくことです。現役でいられる時間は限られているので、強さや輝きを見せたい。“杉山しずか”の名前を少しでも広めて、格闘家としての人生をまっとうしたいんです。そのためにはまず勝つこと。勝った先に自分の可能性や、次なる夢が見えてくるんじゃないかと思っています。

インタビュー・文/高倉優子 撮影/臼田洋一郎

PROFILE
杉山しずか(すぎやま しずか) 女子格闘家。東海大学へ入学した2017年、禅道会空手を始める。2008年11月、JEWELS旗揚げ戦に参戦。総合格闘技のプロデビュー戦を勝利で飾り、その後も5連勝する。2011年4月、語学留学および格闘技修行としてオーストラリアに1年間留学。2013年に結婚、2015年には第一子となる男児を出産する。2017年2月、2年2ヶ月ぶりに復帰し、2連勝を収める。12月29日にはRIZINに初出場し、惜しくも渡辺華奈選手に判定負けを喫した。テレビ朝日系「超人女子」に出演するなど多方面で活躍する。

総合格闘家・杉山しずか、ムッキムキの強靭BODYを撮り下ろし

  • 総合格闘家・杉山しずか 撮影/臼田洋一郎
  • 総合格闘家・杉山しずか 撮影/臼田洋一郎
  • 総合格闘家・杉山しずか 撮影/臼田洋一郎
  • 総合格闘家・杉山しずか 撮影/臼田洋一郎
  • 総合格闘家・杉山しずか 撮影/臼田洋一郎
  • 総合格闘家・杉山しずか 撮影/臼田洋一郎
  • 総合格闘家・杉山しずか 撮影/臼田洋一郎
  • 総合格闘家・杉山しずか 撮影/臼田洋一郎
  • 総合格闘家・杉山しずか 撮影/臼田洋一郎
  • 総合格闘家・杉山しずか 撮影/臼田洋一郎

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