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「肌にザラつきがある…」保湿しても改善されない“寒さ”が原因の肌トラブルを専門医が解説

2023-11-18 eltha

 今年は、暑さが長く続きましたが、11月に入り、急に寒くなったと感じる人も多いでしょう。冬は肌にとって厳しい季節で、乾燥や炎症、シミやくすみなどの肌トラブルが起こりやすくなります。「保湿しても肌トラブルが改善されない」「垢が残ったようなザラつきがある」「肌がゴワゴワする」といった症状に悩まされている人は、肌の表面温度が下がっているかもしれません。本記事では、寒さによる肌トラブルの原因と改善方法について、共立美容外科の副総括院長・磯野智崇さんに聞きました。

乾燥・血行不良・シミやくすみも…“冷え”によるさまざまな不調が

 寒さによって体が冷えると、体温を維持しようとして血管が収縮します。血管が収縮すると、血流が悪くなり、肌に栄養や酸素が十分に届かなくなります。その結果、肌の細胞や臓器の働きが低下し、肌トラブルや体の不調が起こりやすくなります。冷えによる肌トラブルには、以下のようなものがあります。

(1)乾燥
寒風や暖房器具によって、肌の水分が奪われやすくなります。冷えによって皮脂腺や汗腺の働きが低下し、肌の水分や油分が減少します。また、肌の角質層が硬くなり、水分の蒸発を防ぐ機能が低下します。乾燥すると、肌のバリア機能が弱まり、外部からの刺激に敏感になります。その結果、肌がカサカサになったり、かゆみやひび割れが起こったりします。

(2)血行不良
気温の低下に伴って血管が収縮し、血液の循環が悪くなります。これにより、肌に栄養や酸素が十分に届かず、しもやけや網状皮斑といった症状が生じることがあります。

(3)シミやくすみ
血行が悪くなると、肌にメラニン色素を分解する酵素が十分に届かなくなります。また、冷えによって肌の新陳代謝が低下すると、古い角質などの老廃物や炎症物質が溜まりやすくなります。これらのことによって、肌にメラニン色素が蓄積し、シミやくすみができやすくなります。

(4)マスクによる摩擦
冬は風邪やインフルエンザなどの感染症予防のために、マスクを着用する機会が増えます。しかし、マスクによっても肌トラブルが起こることがあります。サイズが小さすぎたり、素材が合わなかったりすると、摩擦が強くなり、肌を刺激して炎症を起こすことがあります。また、マスクの中は息で蒸れやすく、湿度によってニキビの原因となるアクネ菌が繁殖したり、マスクを外したときに急激な乾燥を引き起こしたりと、肌トラブルの元になります。

保湿ケアや血行促進だけでなく、紫外線対策や自分にあったマスクを選ぶことも重要

 以上のように“冷え”は、血行不良や代謝低下を引き起こし、乾燥やゴワつき、くすみやシワなどの肌トラブルの原因に繋がります。ここからは、肌トラブルの改善方法をいくつか紹介します。

(1)保湿ケア
最も重要なケアは保湿です。肌の水分や油分を補給し、バリア機能を強化します。保湿ケアは、洗顔後や入浴後など、肌が乾燥しやすいタイミングで行いましょう。保湿剤は、肌の状態や好みに合わせて、化粧水や美容液、乳液、クリームなどを選びましょう。塗るときは、肌に優しくなじませるようにしましょう。

(2)血行促進
血行を促進することで、肌に必要なものを運び、老廃物を排出します。血行を促進する方法は、適度な運動やマッサージ、入浴などがあります。運動は、筋肉を動かすことで血液の循環を良くします。マッサージは、肌に刺激を与えることで血管を拡張します。入浴は、温度差によって血管を収縮させたり拡張させたりします。これらの方法は、肌だけでなく全身の健康にも良いです。

(3)紫外線対策
冬でも紫外線は肌にダメージを与えます。肌のコラーゲンやエラスチンを破壊し、肌の弾力やハリを失わせます。また、メラニン色素の生成を促進し、シミやくすみの原因になります。紫外線対策をすることで、肌の老化を防ぎます。

 一方でシミやくすみは、スキンケアを見直したり、自己ケアではなかなか改善されません。シミやくすみの種類や原因は人によって異なるため、自己判断せずに、まずは専門医に相談することが大切です。

 一般的には、レーザーや光照射、ピーリングなどの機器を用いて、肌のメラニン色素を除去したり、ターンオーバーを促進したりすることで、シミやくすみを薄くしたり消したりすることができます。また、内服薬や外用薬などの薬剤を併用することで、治療効果を高めたり、再発を予防したりすることも可能です。

「目立つ濃いしみに対しては、レーザーを高出力で照射してしみの元となるメラニンを破壊するショット打ちをするのがいいでしょう。照射後は1週間程度のテープ保護を推奨しています。また、くすみに対しては、低出力のレーザーを顔全体に照射するトーニングやピーリングがいいでしょう。これらはダウンタイムがなく、初めての方でも受けやすい治療です。1ヵ月に1度など定期的に治療を受けることでさらに効果が出ます」(磯野智崇さん)

 また、レーザーやピーリングなどの治療は、冬の方が良いそうです。

「レーザーやピーリングなどの治療は受けた後の紫外線対策が重要になってきます。その点では、夏よりも冬の方が紫外線量は少ないので、レーザーやピーリングなどの治療は、冬の時期がおすすめです。また、乾燥対策としてホームケアで使用できるスキンケアアイテムも当院で取り扱っておりますので、お悩みの方はぜひ相談にいらしてください」(磯野智崇さん)

 冬の寒さによる肌トラブルは、乾燥や炎症、シミやくすみなど様々な症状があります。これらの肌トラブルは、冷えによって血行が悪くなり、肌のバリア機能が低下することが原因です。カラダの冷え対策と肌のスキンケアで予防や改善も可能です。保湿や血行促進だけでなく、紫外線対策や肌に合ったマスクなど、普段から気をつけましょう。
磯野智崇(いその ともたか)

監修者 磯野智崇(いその ともたか)

1995年、聖マリアンナ医科大学を卒業。1995年、聖マリアンナ医科大学形成外科に入局。1999年、東大宮総合病院整形・形成外科に入職。2002年、共立美容外科に入職。2009年、共立美容外科浜松院院長に就任。2020年、共立美容グループ総括副院長に就任。

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