半顔の整形メイクを披露した女性、「女らしさなんていらない風を装う自分が嫌いだった」学生時代の葛藤

　「自分の顔がすごく嫌いだった」と学生時代を振り返る、YouTuberのSACHIさん。人前で笑顔になれず、ファッションやメイクを気にしていない、女らしさなんていらない風を装っていた自分にコンプレックスを感じていたといいます。今では、すっぴんから圧巻の”整形メイク”を披露して肌悩みをメイクで解決するテクニック動画を多数投稿していますが、化粧を始めたのも最初は「コンプレックスを隠すため」でした。メイクを始めた当時、どのような悩みを抱えていたのか話を聞きました。

■「なんで可愛い顔に生まれなかったんだろう」人前で笑えなかった学生時代

　学生時代はスポーツに力を注いでいたため、メイクやオシャレに気を使う時間がなかなか取れなかったというSACHIさんは「自分の顔がすごく嫌いだった」と当時抱いていた感情を話します。

「頬骨が出ている、眉毛が薄い、ぱっちり二重じゃない、唇がうすくて口角が下がっている。亀の口みたいなM字の口をしているので（笑）。なんで可愛いと思う顔に生まれなかったんだろうと、学生時代はずっと嫌でした。歯並びも悪かったから、人前で笑えなかった。手で口を隠したり、オホホと笑ったり。見られたくないから、歯を見せずに笑う技術が身に付きました。コンプレックスは、隠す方へ隠す方へ向かっていたと思います」

　だからこそ、化粧っ気のない運動部に所属していたことが「救いだった」とも話します。

「初めてメイクをしたのは、高校生の頃です。といっても、部活が休みの時にアイプチをするくらいでしたが。中学高校と、学生時代はスポーツをやっていたので、おしゃれどころではありませんでした。でも、当時の私にとっては、それが救いでした。部活と勉強ばかりしていたから、ファッションやメイクを気にしていない、女らしさなんていらない風を装えた。けど、本当はそんな自分がすごい嫌だったんです…」

　アイプチをしていても、キメ顔をしている時はよいですが、やり続けていると目がかぶれたり、糊で皮膚を引っ付けているので顔が変に見えたり。「ふとした瞬間の表情が嫌で。なんとかならないかと、アイプチをアイテープに変えたり、試行錯誤をはじめて、『あれ？ちょっとましになった？』と思える瞬間がありました。私がコンプレックスを強く感じなくなったのは、その作業の積み重ねがあったからです」。

　メイクテクニックの上達は「年月ですよね（笑）」とSACHIさん。移り変わっていく流行りのメイクにチャレンジし、雑誌やテレビ、インスタを見て「この人すごい可愛い」と思った人のメイクを真似てみたと言います。

「全然顔が違うので『はて、どうしたものか？』と（笑）。夜な夜な画像を見て、自分の顔にどうやったら取り入れられるのかを考えていました。私、暇な時間はほぼメイクのことを考えていますね」

■「ブスな部分をちゃんと見せる」メイク動画の発信で悩む人に勇気を

　今では「寝坊おばさんの超お急ぎメイク」「疲れた40代がメイクで激変」と衝撃的なビジュアルの変化を動画投稿。自身の経験から「自分にとってプラスなものは取り入れて、みんなが楽しいと思うメイクをしてほしい」と、メイクテクニックを発信しています。

「私のメイクは、コンプレックスがもとになっていて、目がこんなだったら、眉毛がこんなだったらいいのに…と思うものの最終形態。特に、元々は奥二重だった目もとのメイクにはこだわりがあります。アイテープでくせを付けて、クッキリさせる。カラーコンタクトには度が入っているんですけど、これを入れることでだいぶ印象も変わります。目元をしっかり決めることで、一日中テンションを下げずに生活することができます」

　発信するメイク動画では、「顔が変わっていくギャップを出す」「ブスな部分をちゃんと見せる」ことを大事にしているとSACHIさん。

「悪口じゃないですけど、すっぴんですと言って、めちゃめちゃきれいな女の子がいるじゃないですか。でも、そこに私は共感することができず…。TikTokで外国の方がメイクのビフォーアフターを載せていますけど、ビフォーをわざわざ悪化させていたりする。皆が見たいと思うのは、ギャップなんですよね。顔が変わっていくギャップ。これを私は自分の顔で毎日くらっているわけですから、この変化はおもしろいなと思っています。そして、シミ・シワ・ほうれい線など、肌の悩みがどれほどのレベルなのか、どう変化するのか。そこを知りたいマインドがあると思うんですよね。『これでもいけるんだから、あんたたちもいけるわよ！』って気持ちでやっていますね」

　SACHIさんのメッセージ性のある動画発信には、「私も挑戦してみたくなる」「メイクの楽しさを教えてくれている」というコメントも。同じようにメイクの悩みやコンプレックスを抱える方に大きな勇気を与えています。

「おしゃれな動画は、きれいな子たちに任せればいい。私はYouTuberとしてメイクを発信してはいますが、結局は”楽しく生きればいいじゃん”って思うんです。『かっこつけてオシャレしてるんです』と、偽りを述べてもしょうがないですからね。ありのままの自分を楽しんで見てもらえればと思っています」

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2023-09-26